昔、飛び降り自殺の現場を見つけたことがあったのさ。その②
これはひょっとすると飛び降り自殺ってやつかも知れない!
あれれのれ?
心臓がドキドキいってますよ。
非常階段から下を見ても、真夜中なんで真っ暗。
でも、ぼうっと白い物が見えるのよね・・・
スポンサードリンク
意を決して下まで降りることにしました。
だって配達中なんで時間が無いのよねーーーーーー
正直、浮浪者が寝ているだけかも?
なんて期待はしてましたが、
近づくと、やっぱり女の人じゃんよ!
白く見えたのはブラウスだったわけで・・・
なんというか、刑事ドラマで良くある血がドバーーてな感じではなく、
車に轢かれた猫みたいに口を開けて吐血してましたよ。
顔は髪で隠れて分かりませんが・・・
やべえ!どうしよう!
とりあえず警察に電話しようと思いましたが、小銭なんて持ってなかったのよね。
しかたないんで、現場近くのお宅に連絡をお願いすることにしました。
ピンポーーン!
ピンポーーン!
ピンポーーン!
今、考えるに真夜中にチャイムが鳴るってのは、非常に気色悪い状況だったに違いないね。
「こんな夜中になんですか?」
「すんません。●●新聞ですが、配達してたら飛び降り自殺の現場を見つけちゃいまして、よろしければ警察に電話して貰えませんでしょうか?」
うーーん、憶えているもんだよ。
そのお宅は騒然となり、
「どこ?どこ?」
なんて奥さんが言ってるうちに、息子さんたちが見に行ったんだよね。
「ほんとだ!なんか下にある!」
その間に、奥さんが電話してくれたのだけど、自分がでるのは嫌だとかで結局私が話したのだよね。
警察が言うには、すぐには行けないんで騒がないようにお願いしますとのこと。
「仕事に戻っても良いですかね?」
「かまいません。」
奥さんにお礼を言うと配達に戻ったのですよ、かなり時間を食っちまったね。
こりゃあ、苦情の電話がバンバン鳴るのは間違いない・・・
配達の帰りに寄ってみると、
現場は何人か刑事が来てて、死体はシートで覆ってありました。
良く見れば、そこだけコンクリートがなく土の地面があったんだよね。
死ぬにしろ、地面の上で死にたかったんだろうか?
警察からの質問を終えて販売所に帰ると、
案の定、クレームが来たと怒られ、事情を話すと縁起が悪いと塩をかけられたものなのよ。
結局、飛び降りたオバサンは地元の人じゃありませんでした。
夕方に通りかかると、いつのまにか近所の子供が作ったであろう塚が出来てまして。
どこから摘んだものか、花がたくさん飾られておりました・・・
スポンサードリンク